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Reborn(再生)

2021/4/1

 今日から4月。桜は見ごろを過ぎようとしてますが、気持ちは上向きです。ハーベストの練習も今月から始まりますよ♪

 新年度をスタートするにあたり、ここ数年来お世話になっている楽器工房へメンテナンスに行ってきました。通常の弦・弓毛の張替えに加え、今回はテールピースの交換もお願いすることに。この部分は音色に大きく影響すると聞いていたのでどんな風になるか興味津々で伺いました。

 工房でご用意いただいたのは、黒檀・ローズ・柘植の三種類。選ぶ基準が分からない私は、一先ず全種を試してから検討するつもりでした。すると、「どんな音にしたいですか?」との質問が。なるほど、そう来ましたか。「深みがあって、かつ柔らかい音」、咄嗟にそんな返答をした気がします。分かりました、と言ってさっそく交換作業が始まりました。迷いなく、きびきびと正確に動く彼女の手先を背中越しに見ながら、じっと待ちました。

 しばらくして、「これで弾いてみて下さい」と渡されたチェロには黒檀のテールピースが取付けられていました。黒檀は重く硬質で、はっきりした音を作り出します。場合によっては鳴り過ぎてしまいますが、楽器の木板が厚くニスもしっかりかかっている私の楽器は音が内にこもりやすいため、敢えてこれを使うメリットがあるのだとか。とても納得のいく説明です。さて、音はどうでしょう。
♪~~~
何とびっくり、あなたはいったい誰ですか?!と、叫びたくなるほど劇的な音の変化。最初に漠然と思い描いていたのとも違う、まるで長い眠りからようやく目覚めたような響き。初めは戸惑いながらも弾いているうちにだんだん慣れ、これがこのチェロ本来の音色なんだと思える頃には気持ちも落ち着いていました。

 比較のためもう一つ別の種類で試奏しましたが、結局元に戻して本決まりとなりました。この先同じような出来事はそう多くないでしょうが、まさに『生まれ変わる』という言葉どおりの貴重な経験でした。チェロだけではなく、私自身も心機一転、練習に励みたいと思います。

              広報担当:山本

テールピースの初交換
左が以前付いていた金属性のテールピース、そして右が今回交換した黒檀のもの。
どうやらペグ、指板も黒檀で、すべてのパーツが同じ素材で揃うのは理想的なんだとか。
2021/2/21

想いは音にのって・・・

2021/2/21

 皆さん、お久しぶりです。
「2月は逃げる」という言葉どおり、ひと月があっという間に過ぎようとしています。

 先日、講師の演奏会に行ってきました。今回は初のリクエストコンサート。懐かしいものから初めて耳にするものまで、選りすぐりの楽曲でした。

 演奏にあたって、それぞれに纏わるエピソードが添えられました。ある曲は選曲者の人生の門出を祝福し、またある曲はいつも笑顔で周囲を照らしてくれる人を思い浮かべ、そして、ある曲は今は亡き仲間を追悼する。
 
 音楽は、美しい調べを堪能するだけではなく、誰かへ想いを伝えるすべでもあります。自分は何のために弾いているのだろう?最近、ふとそんなことを考えたりします。大切な人のために一曲奏でる、いつかそんな日を夢見ています。

 昨年のクリスマス、イギリスのグラスゴー出身で現在はアイルランドに住む私のオンライン英会話の先生に、歌をサプライズプレゼントすることにしました。それは、グラスゴーの人にとってはお馴染みの曲で、おそらく日本で言うと「ふるさと」のような存在。2週間毎日繰り返し練習し、空で歌えるまでに。そしてついにお披露目の日、画面越しとはいえかなり緊張しましたが心を込めて何とか歌い切りました。もちろん、先生はとても喜んでくれました。そして最後に、「初めて聴いたけど、いい曲ね!」。あれっ??グラスゴーの人なら皆知ってるんじゃなかったの?!
ある意味、そっちの方がサプライズでした。

"Mother Glasgow"/Hue and Cry
https://www.youtube.com/watch?v=BBrvVdr6PsU

              広報担当:山本

グラスゴー/Glasgow
イギリス スコットランド最大の都市。貿易港、産業都市として発展。
ユネスコが毎年選定している「City of Music」で英国で初めて選出され、2019年には欧州委員会によって「英国で最も文化的で創造的な都市」にも選ばれました。


写真:https://www.publicsectorexecutive.com/より
2021/2/21

No Music, No Life!

2021/1/20

 皆さん、こんにちは。
今年の抱負『早寝・早起き』は順調に続いています。新たな朝のルーティンは一日の始まりを勢いづかせ、心に余裕を与えてくれる気がします。仕事でのイライラも減っていいこと尽くし。もっと早くやっていれば・・・

 私が好きなTV番組の一つ「駅ピアノ」。今では空港・街角編もありますが、誰でも弾けるようにと世界中の公共の場に設置されたピアノを定点カメラで撮影したものです。ご覧になられた方も多いのでは。

 弾きにやってくる人は実に様々。毎日通う常連さん、通りすがりの旅行者、子供からプロミュージシャンまで。皆、ピアノを見つけたら弾かずにはいられない。毎回その情熱に感心するわけですが、それ以上に驚かされるのが彼らの多くが独学ということ。楽器は習うのが当たり前だった私からすると、それはかなり衝撃的でした。ピアノが好き!あの曲が弾きたい!という思い一つで、あんなに素晴らしい演奏ができてしまう。(しかも暗譜) 

 音楽の可能性は無限大。人生を彩り、生活に潤いを与えてくれます。
 
 こちらは、フジコ・ヘミングさんの「ラ・カンパネラ」に感動しゼロからピアノを始めた海苔漁師さんのお話。
まさに、為せば成る。
https://www.youtube.com/watch?v=o7PoiaMsJ1s

 私もチェロで何かを成し得てみたいものです。

             広報担当:山本

空港ピアノ(ミネアポリス)
リンゴをくわえたまま演奏する空港職員。
なかなか斬新なスタイル。
ピアノを弾くのも仕事のうち?